製本を教える

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久しぶりの更新。

前の記事から100日以上経過していました。直前の記事は7月の活版TOKYO2015でのワークショップ参加者へのお知らせでした。7月と8月、3ヵ所で出張ワークショップを行いました。それぞれ人数も時間も違う状況の中で、どのように組み立てていくのか、またなにをどのように説明し案内していくのかを考える、貴重な経験になりました。

その後、いつもの土曜WSで引き続きご案内しています。ありがたいことに、一度限りではなく、二度目、三度目とお越しいただく方がいらっしゃって、熱意に応えられるようこちらも工夫をしなければとあれこれ考えています。

製本の様式については、特に別の希望がない限りは同じ内容でご案内するのですが、一度目は(初めてであっても)とにかく完成させることが目的になるので、手順をご案内するのがメインです。参加者は言われた通りに手を動かす、その都度注意すべきことを伝え、コツを教えることに重点が置かれます。

その後、自分でおなじことをやろうとすると、そのときになって「???」ということになるようです。なのでもう一度、復習のため参加されるのです。

ひょっとしたら最初の講習できっちりと教えられないから、なのかも知れませんが。でも、限られた時間で一通りのことをこなすためには、細かい理屈よりも、完成させることで得られる「達成感」を味わってもらう事のほうが重要だと考えます。それにWSに参加する方がみんな「自力で製本できるようになる」ことを望んでいるのかどうかも分からないですし。

もし、「自力で製本できるようになる」ことを望んでいるのであれば、ぜひとも二回目、三回目と参加されるのがいいと思います。二度目であっても、三度目であっても、やることはほぼ同じです。一度目では下準備をこちらで済ませておきますが、二度目以降はその準備作業からやるとか、表紙の作り方を工夫するとか、なにかしら新しい要素も含めて、なおかつ糸でかがることに「慣れる」ための案内をします。希望があれば治具の作り方をご案内したり、治具がない場合の代用品の考え方を教えたり。

手順そのものは、紙に書いたものをお渡しすれば済むことなのかも知れません。それだけで分かるならわざわざ出かけてまで習いに来るには及ばないでしょう。

なので、本のしくみを「知ること」、そして実際に糸でかがる手順を「分かること」、そして手を動かして「できること」を実際に体験してもらう場にしたいなと考えています。

これまでにやってきたWSで、時間が十分にあるときには、先に練習をしてもらいます。練習用の教材を使って、こちらの指示に従って手を動かす。ただそれだけなのですが、それによってまずかがり方を「知る」のです。そのときに難しいとか、この部分が分からないとか、どう言う理屈なんだろうと「考えて」もらいます。一度体験した後に、実演をして確認してもらいます。これによって、「分かる」段階まですすみ、最後に作品を仕上げてもらいます。参加者の人数にもよりますが、大勢で一度にやるとなると、この方法も案外効果的かなと思います。

いま、糸かがり手製本の指南書を作っています。ワークショップのためのテキストを想定していますが、自学自修であっても役立つように、できるだけ丁寧に詳しく説明をするつもりです。単に手順を説明するのではなく、一つ一つの作業について、どのように行うと効率的なのか、あるいは美しく仕上げるためのコツや量産するための工夫についても案内します。

手製本の指南書なので、それ自体が手製本のサンプルとなります。

あわせて写真か動画による案内も検討しています。WSでの実演に当たる部分を、動画で確認いただけるようにすれば、独学であってもある程度はできるようになるのではないかと思います。

私自身が製本を覚えたのも書物を見ながらの独学でしたので、同じ立場の方々には特に役立つようにと考えています。

11月23日の文学フリマまでにはなんとかカタチになるようにと考えています。

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