翻訳詩集

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5年前に同じタイトルの記事を書いたことがあるので、その続きといった感じで。

まだ「本をつくる」なんてことを考えていなかった頃、「本を読む」というよりも「本を集める」ことに熱中した時期がありました。集めると言っても、金も置く場所もないし、何でもかんでもというわけにはいかないので、かなり限定された範囲でのはなしです。

古い語学書、植物民俗誌関係、書物に関する本、そして外国文学の翻訳書がその対象でした。

翻訳書で集中して集めたのがシュティフターとシュトルムの本。出版されたものすべてとは言えませんが、それでもかなりの数になります。最近はゆっくりと読む時間もないのが残念。

翻訳書を集めると、同じ作品を読み比べてみます。もとが一緒なのに翻訳の数だけ違いがあり、それによって受ける印象が違うのはおもしろいこと。良し悪しを評する資格はないので、ただ単に愉しむという姿勢で。

ヘッセの詩文集『放浪』やギッシングの『ヘンリ・ライクロフト』等を読み比べの資料としてつくった記憶がありますが、手元に残っていないのが残念(書物の方はいまもあるので、やろうと思えばできなくもないのですが)。

さて、こんな中で実際に手製本に仕立てたのがシュトルムの翻訳詩集です。

storm.jpg手製本を始めたばかりの頃に一度つくったものを、今年の春に新しいカタチで仕立ててみました。

むかし作ったのは16ページの本当にシンプルな冊子でした。

表紙を含めて16ページなので、本文が見開き7面、ここに7つの翻訳を収めました。

その後新しい翻訳を見つけたので全部で8つになり、ページの構成を変更すると同時に、なにか「手製本らしさ」を盛り込みたいなと。

写真では天の部分が青、赤に染めたかのように見えます。また小口は白と青、赤がストライプ状に。どういうことかというと、もともと本文は20ページしかないのです。それをそのまま綴じてもボリューム感もないし、おもしろくもない。なので、本文を片面にのみ印刷して、蝋引きしました。

紙にろうそくの蝋を染みこませると、半透明になります。両面に印刷したものを半透明にしたのでは読みにくいだけなので、片面のみ印刷するのがポイント。インクジェットプリンターで印刷したものは蝋引きできます。

半透明になったものを間に色紙を挟んだ状態で3枚一組の折丁(本来なら12ページ分になりますが、一枚は色紙で残り2枚も片面印刷なので、実質は4ページなのです)をつくり、糸でかがって製本。

storm2.jpgナカミはこんな感じ。写真では分かりにくいかもしれませんが、開いた本文が青い色紙と重なっているので水色っぽく見えます。

今回のは文庫本サイズです。

ゆっくりと、じっくりと読めるようにしたかったので、このくらいがちょうど良いかなと思います。

文字サイズも大きめにして、窮屈にならないくらいにレイアウトしたつもり。

8つの翻訳と最後に出典一覧、そしてドイツ語の原文をいれたらちょうど良い具合に収まりました。

この翻訳詩集はシュトルムの「ヒヤシンス」を集めたものですが、これとは別にいくつか試みがあります。シュトルムの他の詩でもつくろうかと。こちらは「みずうみ」にあるものなので、詩集として翻訳されたものだけでなく、「みずうみ」の翻訳書からも集めることができます。その結果一つの詩に対して28通りの訳が集まりました。今の段階では「はん・ぶんこ」サイズのシンプルなものなのですが、これを文庫本で同じ体裁にしたら相当なボリュームになりそうです。やってみたい気もするし、手間を考えるとちょっとという部分もあるし・・・悩むところです。

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