2014年12月アーカイブ

本を創る

| コメント(0) | トラックバック(0)

小さな本工房はもともとは「小さな本(豆本)をつくる工房」という意味でした。

でも、今は豆本も作るけれども、はん・ぶんこサイズや文庫サイズの本も作るので、「小さな本+工房」ではなく「小さな+本工房」といった意味に変わってきました。もともと特別な道具を使っているわけでもないし、ほとんどの作業がライティングデスクの上でできてしまうので、工房と名乗るのもおこがましいくらい。

豆本が始まりだったので、「豆本作家」と呼ばれることもありますが、これもまた違うかなと。オリジナル作品を手製本で仕立てて展示なり販売するのであれば作家と呼べるかもしれませんが、そんな文才も絵心も持ち合わせていないし。

ナカミを作る創作系とカタチを作る制作系とに分けるなら、わたしは制作系に専念した方が結果的には意味のあるしごとができるのではないか、そう考えています。

miura1.jpg

先日開催された文学フリマに出展した作家さんの作品集を仕立てました。

みうらゆみさんの詩集『夜と君の魔法』です。

文庫本サイズ、本文は60ページ(12ページ×5折)の本。

表紙と見返しは「星物語」という紙を使いました。

作品のなかに「星」がたくさん出てくるので、そのイメージで。表紙画、挿画にあわせて青系の紙、糸で製本してみました。

miura2.jpg本文は全部手書きです。

ちいさなかわいい文字、これがまた手製本とピッタリです。

整然と並んだデジタルフォントでは魅力が半減してしまいそう。

製本のご依頼のあとで、全部清書したようです。

それをスキャンしてページのレイアウトをするところから始まり、印刷、製本を小さな本工房が担当しました。

今年の春、ギャラリー展で「はん・ぶんこノート」を展示しました。

そこでお客さんが買い求め、それをみうらさんの誕生日にプレゼントしたとのこと。それがきっかけで今回の作品集をつくることが実現しました。

製作した本は、価値を認めてくれたお客さんのもとに届けられたそうです。

展示の際に直接手に取って読み、そして購入してくださったとのこと。製本に興味を持ってくださったお客さんもいらっしゃったそうですが、なんと言ってもナカミがあっての本、カタチだけが一人歩きすることはありません。

預かった原稿を読んで、それにふさわしいカタチをイメージする、そしてカタチにする作業。これは単に本を作るというよりも、一冊の本を創り出すことでもあります。

創作系作家さんとのコラボレーションは今回が初めてではありませんが、こうしたことで製本家がだれかの役に立つことができるのは嬉しいことです。

小数部ではあるけれども、一冊一冊が必要としてくれる人のもとに届けられる本。大量につくるのとはまったく異なる、ささやかな出版活動。これもまた意味があるしごとだと思います。

最近のブログ記事

Powered by Movable Type 5.2.3