糸かがり指南

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新しい年が始まりました。昨日と今日とでなにが変わったわけでもないのですが、気持ちは新たに。今年もよろしくお願いいたします。

さて、昨年末に三省堂書店さんの神保町いちのいちで手製本ワークショップをしました。

和装本と洋装本の二つの講座を準備したのですが、予想以上に洋装本の方が人気であることが分かりました。

この洋装本ですが、製本の教科書にあるものとは同じではないため、ちょっと混乱するかもしれません。

一番の特徴として、見た目が洋装らしくない点があげられます。背表紙がなく、糸でかがった部分が見えるようになっているので、ちょっと離れてみると和綴じのようにも見えます。

この綴じ方のメリットは、どのページも平らに開くということです。一般的な書籍でも、糸を使わない無線綴じではここまで開くことは考えられませんし、糸かがり製本であっても、背表紙がついたものだと平らに開くってほどではない。これは実際に手にとって確かめていただくのが一番なのですが、なかなかその機会もないようで。

それから、製本する工程で、糊を使いません。ハードカバー仕様にするときは表紙に糊を使いますが、もっとシンプルに綴じるのであれば、表紙は厚めの紙を折っただけ、一本の糸と針があれば綴じることができます。

糊を使わないメリットは、仮に糸が切れた場合でも綴じ直すことができること。通常、かがったあとで別に表紙をつける場合は、背の部分を糊で固めますが、この様式の場合はなにもしません。

実際に糸だけで綴じた本をノート代わりに使っていますが、これまで糸が切れて壊れたことはありません。仮に切れたとしても、簡単にかがり直すことができます。糊を塗ってしまうと、修理が難しくなると思います。

逆に、不要になった場合は、糸を切ってしまうことでバラバラにすることができ、紙だけを再利用することも可能です。「はん・ぶんこ」の場合、A4洋紙を4等分に切って折ったものを使うので、化粧裁ちもしませんので、ゴミが一切出ない、このことも強調してよいかと思います。

さて、ワークショップでは、時間の制約もあるため、とにかく一冊完成させることが目的となってしまい、実際の手順について十分に納得できるような説明ができませんでした。

manual.jpgなので、復習用の資料と教材を作ってみました。かがり方を覚えれば、あとは白紙を綴じただけのノートでも、あるいは内容のある書物でも自力で製本できるようになります。慣れるまでに何度か練習してみてはいかがでしょうか。

まず、手順を示したshinan.pdfseihon.pdfを保存し、印刷してください。
A4用紙に「原寸大で」印刷します。プリンターによっては周囲が一部欠けるかもしれませんが、支障はありません。

教材用の紙は全部で4枚あります。それぞれ1から4まで番号がついています。その番号が外側になるように2回折って(あるいは切ってしまっても構いません)、最後に1、2、3、4の番号が外側になるように折ってください。折った内側(黒で矢印が印刷してある方)に小さな「点」がある(それぞれ4つ)ので、そこに穴を開けて準備完了。

かがりの糸は、この場合は50センチから60センチ程度準備してください。

指南にはどの折丁のどの穴から入ってどこから出るのかが記号で書いてありますので、それを頼りに進めてください。

shinan.jpg最初のうちは緩くなってしまうかもしれませんが、慣れればある程度きっちりとかがることができるようになります。糸を引きすぎると紙を切ってしまうかもしれませんが、何度か失敗するのも勉強のうち、引き加減は言葉で説明するよりも、実演でみせるよりも、自分でやって覚えるしかありません(突き放したような言い方ですが、そういうものです)。

まずは、指南と教材をダウンロードできるようにしておきました。いつになるか分かりませんが写真か動画でご覧いただけるように準備を進めておきます。

わかりにくい部分もあろうかと思います。ご質問などがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

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