2013年12月アーカイブ

手製本ワークショップ

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12月29日と1月5日に神保町の三省堂書店で手製本ワークショップを行います。詳細はこちら

小さな本工房の出張ワークショップは、2012年10月の豆本フェスタ3でヴィクトリアン絵本、2013年6月の&SCENE手創り市での野外WS「わたしのじゆうちょう」に続き3回目です。

今回は書店のなかで行われます。なので、書物を意識した内容にしました。テーマは「和材洋装」と「洋風和装」です。

wahon_2.jpg和材洋装は以前から取り組んできたもので、文字通り、和の素材を用いた洋装本です。一本の糸だけで綴じたリンクステッチによる製本です。

一般的な洋装本とは違い、背表紙がなく、かがりの部分がむき出しになっています。見た目は中途半端に思われるかもしれませんが、どのページも平らに開くので、読むための書物であっても、あるいは書き込みをするためのノートやメモ帳としても、使い勝手が非常によいのです。

作業工程はできるだけ単純にして、なおかつ化粧裁ちもしないためゴミが出ない、さらには必要がなくなった場合には糸を切ってしまえばバラバラにすることもできる。見た目の良し悪しよりも、使い勝手と使い心地を優先した、実用性重視の手製本です。

wahon.jpgもうひとつの洋風和装は、見た目は和装本ですが、洋本と和本の「いいとこ取り」といった感じです。本文は洋装本と同じように両面に印刷し、16ページあるいは20ページ単位で折り丁をつくります。これを和装本のように四つ目綴じにします。

通常、和装本は軟らかい和紙で作りますが、実際問題として和紙に印刷しようと思ってもなかなか思うように行きませんし、どちらかというと趣味的なモノになってしまいます。生活のなかで書類を綴じることに応用できるように、洋紙であっても和綴じ風に製本ができることをご案内したいと思っています。

今回のワークショップは、単に糸でかがったり綴じたりして書物をつくるということだけではなく、そのやり方を日常に生かせる形で案内、提案する場にする予定です。製本の様式についても、ほかの指南書にあるものと必ずしも一致するわけではありません。特に和装本については、伝統的な正統派和本というよりは、現代風に、洋風にアレンジされた和本(なので洋風和装です)と考えていただいた方がよろしいかと思います。

ワークショップのなかには、特別な道具や特殊な材料を必要とし、そこでしか体験できないようなものもありますが、そうではなくて、後々自分でも同じ作業ができるような、あるいはそれを応用してなにかを作り出せるような、そういった体験の場ととらえています。

なので、手製本といっても、本格的なかがり台を使うとか、専門的な道具がなくても身近なもので対応できるようなやり方をご案内します。

時間と内容は会場となる書店さまのご案内をご覧いただくことにして、いくつか補足説明を。

第1回から第3回まではそれぞれ、和装、洋装、和装と限定した内容で行います。

第4回は特にどちらとは決めていません。こちらの意向としては、和装と洋装を両方ご案内する場と考えています。なので、和装のみでも、洋装のみでも、あるいは両方体験していただくことも可能です。どちらか一方の体験の場合でも、他方の説明を聞くことになりますので、実際に作らなくても二種類の技法を「見る」場にはなります。

この試みは、私にとっても初めてのことで、ちょっと冒険的な部分もあるのですが、ただ説明して、参加者が作っておしまい、というのではなく、もう少し幅をひろげるきっかけにしたいという想いがあります。

和装でも洋装でも、「一本の糸だけで」かがる、綴じるのは同じことで、基本は同じことなのです。その部分から入って、こうしたやり方がある、あるいは別のやり方もあるということを実際に見ていただき、また、体験していただく場になる予定です。そのため、他の講座よりも時間を若干長めに確保してあります。また料金も和装と洋装と二つの講座を別々に受講するよりは若干ですが、お安くしました。

どちらか一方だけでいいという方は、第1回から第3回の方がムダがなくてよいかと思います。また、第4回では上に書いたように、和装と洋装を両方ご案内するため、説明が多少煩雑になる恐れがあります。実際に応募の状況を見て、どのように進めるかはその場で決めることになりますが、どちらにしても、後々自分で製本をすることができるように実用重視で進めていく予定です。

催事のテーマにあわせて、書物の内容は百人一首にしました。和装本は日本語と英語の対訳で、名刺サイズ(横長)です。洋装本は日本語のみのハードカバー仕様で、はん・ぶんこ(文庫本の半分)サイズです。

洋装本は表紙はハードカバー仕様のため、事前にこちらで準備しておきます。和装本の表紙は、こちらで準備しますが、お好きな紙をご用意いただいても構いません。その場合はA5サイズ程度の大きさであれば十分です(最低でもはがきサイズぐらいは必要です)。書店内ですてきなブックカバーを販売していますので、それを使うのもおもしろいかもしれません。

参加の申し込みはこちらではなく、神保町いちのいち(三省堂書店神保町本店)あてにお願いします。
内容に関するご質問、お問い合わせはこちらにご連絡いただいても構いません。

以上、ワークショップのご案内でした。
毎週土曜日の定期ワークショップについてはこちらをご覧ください。

読みたい本

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またもや間が開いてしまいました。

先月、サーバーの引っ越しをしました。以前のプランのまま継続するよりも安くなる計算だったので、ちょうど更新の時期に合わせて。そのためサイトの様子がちょっと変わりました。

以前のブログ記事をいったん全部コピーしてFileMakerで整理することにしました。旧ブログの記事はそのまま引き継いでいますが、画像はなくなっています。

さて、今日から12月。

今月のマーケットの出店予定です。
12月15日、雑司ヶ谷鬼子母神の手創り市
12月22日、千駄木養源寺の&SCENE手創り市

鬼子母神の手創り市は2010年12月が初出店だったので、丸3年、いよいよ4年目に突入です。はじめの頃は毎回徹夜で準備していましたが、いまは逆に十分に休むようにしています。

商品や作品をせっせと作ってどんどん売るというのも一つの考え方ではあるのですが、何が売れるのか分からないというのもあるし、売るための製作したものは単価がいくらで、とか、時給換算でこのくらい、といったように金銭的な計算が先になってしまうような気がして。

今月は新作を準備するとすでにあちこちで宣言(出展申込書にもそう書いた)しているので、約束は守らなければ・・・

先日、拙ブログをご覧になったという方が糸かがり豆ノートの製作体験にお越しになりました。こんなブログでも読者がいるとは、ちょっと驚きです。手製本のこと、作り方や道具のことなど、何かしら役に立つようなことを少しでもご案内できるように心がけていきたいと思います。

さて、寒くなってきたので作業スペースを炬燵に移しました。これまでは机の上でやっていたのですが、ここには暖房がなく、寒くて作業どころではないし、エアコンは頭がぼぅっとするし。

で、机から炬燵に移ったら、環境が変わってしまって・・・

作業机として使っているライティングデスクは高さが180センチあって、天板の上は書棚になっています。そこにはシュティフターの翻訳作品が棚一列に並んでいます。あとは外国語訳の百人一首の資料があったり。

机の近くの書棚にはハーブや植物民俗誌、ジェフリーズの著作集などの洋古書が。これらの書物がちょっと遠くなってしまい、取り出して読むのがちょっと億劫になってきました。

炬燵の横になる棚には古い語学書やシュトルムの翻訳書、ギッシングの「ヘンリ・ライクロフト」の数種類の翻訳、ヘッセの「放浪」、シュナックの蝶の本など。
昭和33年~34年に刊行された『シュトルム選集』(全8冊)の月報の読者欄に「日曜日など私の小さな室で炬燵に入りながら読むシュトルムの作品は私にと手一番愉しい時間であります」なんて書いてあって、うんうんと頷いてしまったり。

小さな本工房にある書物は数年前に買い集めたものです。最近は新刊書も古書もあまり買っていないのでそんなに増えてはいません。10年前、20年前からずっと手元にあるものがほとんど、その間何度か読み返したものもあるし、棚に収まっただけで満足してしまった書物も少なくありません。

手元にあっても、読まれることがない書物。これは忙しくて手に取る暇がないというよりも、力不足によるものであることの方が多いのです。というのは、英語やドイツ語で書かれていて、十分な読解力がないから。

これらは読みたいけれども(今は)読めない本。そして今は読めないけれども、いつかは読んでみたい本なのです。

そして、小さな本工房が作ろうとしているものは、読みたい本を読めるようになるための本、なんだか訳が分からない表現になってしまいましたが、いつか読んでみたい外国語の書物を読むための本。

ハーブの本を読むための語彙集とか、植物名対照表とか。

誰が必要としているのかって、私が欲しいから作る、それだけかも。

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