古書のなかに

| コメント(0) | トラックバック(0)

一昨日は雑司ヶ谷鬼子母神の手創り市でした。前夜まで雨降りで、天気がどうなるかと心配しましたが、なんとか無事に一日を過ごすことができました。

8月の千駄木、9月の雑司ヶ谷が雨で中止になってしまったため、久々の出展となりました。その割には新作があるわけでもなく、どちらかというと在庫一掃セールみたいな・・・

入り口近くだったこともあり、たくさんの人が通る絶好のロケーションなのに、いつも同様商売っ気なし。おしゃべりばかりして過ごしていました。

お客さんに、「買わなくてもいいから、次のお客さんが来るまでのあいだ立ち読みでも」なんて声をかけて。だれかが店の前に立っていると自然に人が立ち止まってくれます。なので小さな本工房の前には人だかりが。それだけ見たら、小さな本工房は結構な人気店です。人が集まった分だけ売れれば言うことなしなのですが、案外いい加減なモノです。作り手というのは商売には向かないことになっているのです。

さて、前回の記事は瓶の中の植物でしたが、今回は古書の中の植物です。

clover.jpg小さな本工房の名刺をご覧になった方はお気づきかと思いますが、背景画像に古書と四つ葉のクローバーの写真を使っています。

いかにも素材集かなにかにありそうな写真ですが、実は手元にある古書の写真です。

この写真は名刺のモノとは別に新たに撮りました。

この書物、1898年にドイツで出版された植物民俗誌に関する本で、洋古書サイトで注文し、ドイツの書店から送ってもらったものです。

書物が届いたときにページをめくってみたら、このページにこのクローバーが挟んでありました。摘んですぐに書物に挟んでおいたらしく、左側のページにうっすらとクローバーの跡が残っています。

同じ本にはもう一つクローバーが挟んでありました。ほかのページにも、押し花、押し葉そのものはなくなっていますが、挟んであった形跡があります。

タイトルのページには、Emil Amelong とペンで記されていました。以前の持ち主なのでしょうか。だとすると、このクローバーを挟んだのはEmilさんなのか・・・ いろいろと空想してしまいます。

串田孫一さんの文章に、四つ葉のクローバーの話が出てきます。→爽やかな祈り

このクローバー、いつ、誰が挟んだものかはわかりません。

そして、ドイツの古書店の人が日本に送るときに気づいていたのかどうかもわかりませんが、そのまの状態で届けてくれたことがちょっとうれしくて。

なので、名刺やほかのアイテムに使っています。お客さんとおしゃべりをするときに、こんな話もちょっとしたりします。

小さな本工房は書物をつくるのが仕事なので、身近に古い書物がありますが、この本はちょっと特別な一冊です。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://waldsteig.net/mt/mt-tb.cgi/177

コメントする

Powered by Movable Type 5.2.3