手製本のはじまり

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連休中、三か所のハンドメイドマーケットに出展しました。

天気も良くて、どこも大賑わい。出展者作家さんやお客さんとお話したり、商売そっちのけでほかの出展者さんの店を見て廻ったりで、出展者なのか見に来たお客さんなのか分かりませんね。

一人で出店しているので、あまりで歩くわけにもいかず、でも、ほかの作家さんも興味あるし......自分が二人いればいいのにって思ってしまいます。

試作品のスクラップブックです。文庫本サイズで88ページ、表紙は裏打ちしたカットクロスです。

まずは自分で使ってみて、使い勝手と使い心地を確かめてから商品化するつもりでいます。

自分で納得できないものを商品にするわけにはいきまませんので。

実際にマーケット会場で知り合いの作家さんの名刺を頂いて貼りつけてみました。

実際に使ってみると、予想以上に使い勝手が良いことがわかりました。

かがり糸の太さの分だけ綴じた部分が膨らんでいるのですが、名刺やカードを貼ることによってその厚みが均等になるような気がします。糊で綴じたものや、リング製本のものよりもずっと使いやすいです。いつものように一本の糸だけでかがり、背表紙がないので、どのページもフラットに開きます。そのため書き込みもしやすいのです。

サイズは文庫本と同じA6にしてみました。一般的な名刺サイズは55ミリ×91ミリですから、「はん・ぶんこ」サイズ(105ミリ×74ミリ)だと名刺を縦にしか貼ることができませんが、文庫本サイズなら縦にも横にも貼ることができます。一般的なスクラップブックはA4 やB5など大きめで、持ち歩くにはちょっと不便ですが、このサイズは文庫本や手帳を持ち歩く感覚で使えるので使い心地もいいのではないかと思います。

これは今後商品としてマーケットでお求めいただけるように準備したいと思います。まだ考えているだけの段階ですが、表紙を他の作家さんとのコラボで仕立てる形にできたら面白いかもしれません。

さて、

マーケットでは、お客さんに気づいてもらえるように、洋古書のミニチュア(豆本)や切手サイズの「豆かるた」を目立つように並べていますが、製本を始めたきっかけはこういったものではありませんでした。

目立ちはしませんが、「はん・ぶんこ」を収めた棚には実際に自分で使うための本やそのための試作品が何冊か並んでいます。自分用なので、カバーやタイトルもいらないのですが、数が増えてきて、どれがどれだかわからないので、シンプルなカバーをつけて中身がわかるようにしてあります。

手書きで書かれたタイトルの中に、「常用漢字表」とか、「韓国漢字音便覧」とか「仏語動詞活用便覧」などと書かれたものが数冊、そしてこれらはどれも付箋がついていたり書き込みがしてあります。

もともと、これらは商品のつもりで並べているわけではなく、実際に作業用のノートとして作ったものです。すでにあちこちで書いているように、これらの本は、自分が欲しいと思ったものがなかったから、あるいは市販のものをちょっとアレンジして、さらに使い勝手が良いものにできないか、そんなきっかけで作ったものです。

持ち運ぶのに邪魔にならないコンパクトなサイズ、小さすぎず大きすぎず、手のひらにちょうど収まる絶妙な大きさで、開けば文庫本やはがきと同じくらい。なので、ちょっとした便覧などにピッタリなのです。

糸かがりで、平らに開くため、書き込み作業にもストレスがありません。もし糊で綴じられた無線綴じの本だったり、あるいはリング製本だったら、読むときはよくても、書き込みには向かないでしょうね、あるいはコピーするとか、スキャンするときも影が出てしまいます。

この書き込みだらけの作業ノート、結構酷使しましたが、今のところ使っていて糸が切れたとか、本自体が壊れたとか、そういったことは一度もありません。思ったよりも丈夫なことがわかりました。逆に、不要になった場合は、かがり糸を切ってしまえばページをばらすことができるので、糊を塗るときに下に敷いたりといった再利用も可能です。ついでですが、はん・ぶんこサイズの作業用ノートは化粧裁ちもしないので、まったくゴミが出ません。これも優れた点だと思います。

ちょっと説明が長くなってしまいましたが、先日これらの本をご覧になったお客様が、「受験生のための本として使えそう」とおっしゃっていました。そう、まさにそうなんです!と叫びたい気持ちになりました。日頃考えていたことを、お客さんの側から指摘してくださり、やっぱり同じことを考えている人はいるんだと、驚きと嬉しさでいっぱい、小さな本工房の宣伝部長をお願いしたいくらいの気持ちです。

私が手製本を始めたのは10年ぐらい前。なので、別に受験勉強とはまったく関係がないのですが、そのとき外国語を独習していて、暗記、記憶するためのものや、参照するための便覧のようなものがあったらいいなと、そんな思いから始まったのです。

始めのころに作っていたのは、16ページのシンプルなものでした。教材の中の重要な部分だけを抜き出し、時折参照することができるもので、「栞ノート」と呼んでいました。「はん・ぶんこ」サイズで16ページですから、A4用紙一枚分、これを1/4に切って折っただけのものなので、かさばらず本の栞のように使えます。で、重要事項をまとめてあるので、その場で参照することもできるし、ノートのように書き込むこともできるという「スグレモノ」です。

これって、受験生もそうですし、資格試験の勉強をしている人にとっては、とても役立つと思います。私は専攻が語学系だったので、外国語の単語集や例文集、活用表などの文法便覧をあれこれ試作してみたのですが、もちろん他の科目や分野であっても同じことではないかと思います。

教科書や学習参考書のような「主役」にはなれませんが、「学習支援書」といった感じ、本とノートとの中間の役割として。電車の中で単語の暗記に励んでいる受験生を見ながら、あの教材が「はん・ぶんこ」だったら喜んでもらえるのではないか?なんて考えています。

いま、糸かがりの冊子式だけでなく、経本折りのはん・ぶんこも試作中です。冊子だと一度に見ることができるのは見開き2ページ分だけですが、経本折りでつないでしまえば、必要に応じて広げることができます。『百人一首暗記帳』も冊子よりも、蛇腹折にした方が使い勝手が良いようですし、活用表の類も、どの部分が他と違うのか、これをわかりやすくするために、綴じたものではなく伸ばして広げられるものにしてみようかと。それに全体を俯瞰できるように大きめのチャートを作ってミウラ折にしてつける。

全体と個々の情報がわかりやすいように整理された小さな手のひらサイズの便覧、これは良いかもしれません。

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