手製本である理由(2)

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先週の日曜日は雑司ヶ谷鬼子母神の手創り市、そして昨日は千駄木養源寺での&SCENE手創り市でした。雨や雪は降らなかったものの、どちらも風が強くて、紙もの系の出展者はみんな苦労していたようです。寒い中お越しいただいたお客さま、ありがとうございました。

ツイッターやブログをチェックしてお越しになったというお客さまが何名かいらっしゃいました。ブログの更新が進まないため、サイドバーにツイッターを表示されるようにして、ちょこちょこつぶやいたりリツイートしたりしているのですが、たまにはキチンと書かないといけませんね。

記事を丁寧に読んでくださっている方がいらっしゃったのには本当に驚きでした。なにかテーマがあって、それについて述べているというよりも、思い浮かぶま書いているだけなのですが、こんな文章でも分かりやすいと評価してくださったり、記事にあった作品を実際に見てみたいとおっしゃっていただいたりで、嬉しいやら恥ずかしいやら。

初めてお会いしたお客さまから、予想と違ったと言われたりすることもしばしばです。たまにご案内する手製本の写真などから、女性の作家のように思われることもあったようで、あれっ?という反応をされることもあります。また、思ったよりも若いのですね?とか。つまりは年配に思われているってことなんですね・・・

確かに、ブログの中では作家本人(私のこと)についてはあまり書いていません。どちらかというと、作家については「ミステリアス度」が高い方が面白いと思うのです。ずっと昔ですが、実際には一度も会ったことがないのに、メールのやりとりを続けた人がいて、私が古書の話とか、ハーブのことをあれこれ書いていたため、割と年配の女性のように思われていた、ということが何度かありました(一度だけ、一人だけではないという意味です、つまりは)。

実際にマーケットにお越しになって、話をしてみたら、あれっ?ってことは確かにあるかもしれませんが、それも一緒に楽しむつもりでご覧頂けるとありがたいです。

さて、最近思っていることのあれこれをちょっと。

タイトルの「手製本である理由」ですが、同じ記事を昨年末に書いているので、その続きのようなものです。

手創り市にはいろいろなジャンルのハンドメイド作品が並んでいます。

手創り市に集まる作家が共同生活を始めたら、それこそ自給自足できてしまうのではないかと思えるくらいです。家電の類は別として、ひとつの生活空間に必要なものは揃えられるかもしれません。食器類、家具、衣類、癒しのための様々なアイテム、装飾品等々、身の回りのものはたいてい手づくりできると考えていいかもしれません。

そんな中で、書物だって実は手づくりできるんですよ、ということをご案内するのがマーケット出展の目的と考えています。

本当は、作った本を「売る」場でもあるのでしょうが、実際はそんなにたくさん売れるわけでもないし、だから少しは負け惜しみみたいな部分もあるのですが、でも、やっぱり、売れなくても知ってもらえたらうれしいというのが大きいから続けてこられたのだと考えています。

手創り市のなかで、手製本や豆本の出展者はほとんどいないので、珍しがってもらえるのもありがたいこと。豆本のイベントでは、出展者がみんな豆本作家なわけで、その中で「小さな本工房」ならではのものをご案内できるかどうかはまだまだ自信がありません。

正直なはなし、私自身が「豆本作家」だとは考えていませんし。

豆本を作る人は案外たくさんいます。その多くは、コンテンツもオリジナルで製本もするといったタイプの、文字通りの「豆本作家」です。

一方、私はコンテンツに関してはほとんど興味なし。自分で文章を書いたり、イラストを描いたり、写真を撮ったり、あるいは造形物としての作品を作り出す創作系には興味がないというか、そういった才能があるとは思えません。それに、作っているものも、「豆本」と呼べるような小さなものもあるけれど、本当は「はん・ぶんこ」サイズを普及させたいという気持ちの方が大きいので、別に「豆本」作家である必要もないのです。

だから、内容よりも「カタチ」の方を大事にしたいなと。なんだったら創作系の作家さんとコラボしてしまうのが手っ取り早いし、それぞれの役割を果たせる、これこそ理想のカタチではないかと思うのです。

昨日の「&SCENE手創り市」で、ちょっとしたコラボ作品を配布していただきました。

お堂ライブのために書いたという超短編に「はん・ぶんこ」という言葉が出てくるというので、お節介にも、だったら「はん・ぶんこ」の本にして、会場で配りましょう、と申し出てしまいました。せっかくなので、「はん・ぶんこ」のために描いてくださった「くうそうせかい」のはしながさんの飾り枠を使わせていただいて、私は本文のレイアウトと製本を引き受けることに。

表紙を含めて16ページの小さな本ですが、手創り市という「場」にピッタリの配布物になったのではないかと思います。部数限定ということもあり、きわめてシンプルなものですが、糸でかがってあるだけでも手作り感は出せたと思います。

「手製本」といっても、いろいろあっていいはず。花布を編んだり革や高価なマーブル紙で装幀したり、箔押しをしたりといった美術工芸品のような「一点もの」もすてきですが、あまり立派すぎて使えないようなものを目指す気にはなれません。

そもそも私が製本を始めたのも、コピー資料がそのままでは使いにくいから、とか、大きな本を持ち歩きたくないから小さくしてしまった、とかそんな理由からだったので、「使い物にならない」ようなものは、わざわざ作る意味がない、と思っています。

むしろ、地味だけど、あまりにも普通すぎて、というくらいの本。

ページ数が多いとか少ないとかではなく、気軽に手に取って、好きな時に広げて読むことができるような、日常の風景になじむような書物。こうしたものをご案内できればいいな、と思っています。

そして、創作系の作家さんのお手伝いができたらたのしいだろうな、とひそかに思っています。

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