2013年1月アーカイブ

工房通信(1月)

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1月20日、雑司ヶ谷鬼子母神の手創り市でした。

雨や雪は降らなかったのですが、風が強かったです。そして地面が湿っていて......小さな本工房のために特別に作っていただいた「はん・ぶんこ」のための書棚が倒れて、中にあった本が地面に落ちて泥がついてしまいました。大部分は見本用なのですが、中には結構思い入れのある本や装丁にこだわったものもあって、ちょっとショックです。

初めて出店した2年前にも同じハプニングがありました。棚から本が一気に崩れ落ちて土がついてしまったことを思い出しました。その時のお隣さんが今回も近くにいらっしゃって、思わず苦笑い。外でのイベントはいろいろとハプニングがつきものです。

マーケット自体はいつもと変わらず、今回も商売っ気なしでおしゃべりばかりしていました。ただ年末年始の休みにまとめて作業をしたので、これまでよりは「商品」も並びました。

『小倉百人一首』と『利休百首』は新たに10冊ずつ追加、それから洋古書豆本は3種類をそれぞれ10冊、さらに経本折の『百人一首暗記帳』も10冊、などです。

洋古書ミニチュア、"Mother Earth's Children"、 "Flower Children"、 "Wild Flower Children"の3種類を準備しました。今後は毎月2種類か3種類ぐらいずつ出していこうかと考えています。ヴィクトリアン絵本、マザーグース関係、花言葉集など、テーマを決めて。こちらは「雑貨系」と考えて「はん・ぶんこ」ではなく、その半分(大体長辺が70ミリぐらい)にする予定です。

実用的豆本は語学系を中心にあれこれ手直しを。文法便覧や活用表を冊子式のものと経本折のものと二種類準備できたらいいなと考えています。冊子式だと見開き2ページ分しか一度に見ることができませんが、経本折ならば必要なだけ広げてみることができるので、どこが違うのか、どう違うのかを見比べるのには却って都合がいいかもしれません。こちらは実用重視なので、いつもの「はん・ぶんこ」サイズを基準に製本します。

年始に英語版の『武士道』と『茶の本』を「はん・ぶんこ」サイズで仕立てました。どちらもアーカイブスのサイトにあった画像データを使っているので、本の中身はオリジナルと同じ、ただサイズが小さいだけの違いです。はん・ぶんこサイズでも十分に読むことができますが、テキストデータを流し込んでスタイルで調整した方がスマートで読みやすくなります。

本を作るとき、画像データを使えば、挿絵などがあってもオリジナルと同じレイアウトで再現できるのですが、当然文字は小さくなって、場合によっては読めなくなってしまうこともあります。なので、テキストが主体の文芸作品の場合は、テキストデータを使い、ストレスなく読むことができるようにします。本の大きさは文庫本の半分でも、テキストの大きさは一般の単行本並で。少しゆったり組んであるので、普通の本よりもずっと読みやすいのです。

ただし、テキストデータのなかにも怪しいものがあることがわかってきました。書籍をスキャンしてOCR処理を施したものらしいのですが、実際そのままでは使い物にならないというレベルのものもありました。この点は信用しきってしまうと危険かもしれません(電子書籍epub形式のデータです)。

『伊勢物語』の「はん・ぶんこ」本を準備中です。テキストを流し込み、仮製本したものをチェックしているところ、もうしばらく時間はかかるかもしれませんが、せっかく始めたのでなんとか完成させたいところです。

先日の手創り市で、小さな本工房をめざしてお越しになったお客さんがいらっしゃいました。製本に興味があって、ブログをご覧になったとのこと、ちょっと驚きでした。そればかりでなく、ちょっとわくわくするような提案も頂きました。これについては、もうすこし話が進んでからご案内します。

手製本に興味があっても、なかなかつくる機会がない、あるいは何をどうしたらいいかわからない、そんなお話をマーケットでもよく聞きます。こうしたリクエストにお応えできるように、なにかお手伝いができればと考えています。

今年は、ほかの手づくり作家さんとのコラボ作品をいろいろと作ってみるつもりです。作るものは違っていても、ものづくりに対する考え方や思い入れが似通っていれば、なにか面白い作品が生まれそうな気がします。ちょっと異色のコラボレーション、これもまた面白いのでは。

ブログ記事を書こうとしても、なかなかまとまらないので、サイトのなかにTwitterのつぶやきを表示させています。作業の進捗状況やマーケットの出店情報などはこちらをご確認ください。

2月のマーケット出展は、いま決定しているのは2月24日、千駄木の養源寺での「&SCENE手創り市」です。その他決まりましたら、また改めてお知らせします。

小さなカルタ

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手製本とは直接関係ないけれども、マーケットやイベントで展示するものがいくつかあります。

そのひとつが「豆カルタ」です。

もともとは「百人一首暗記帳」を作るために、取り札の画像を使うつもりでした。

でも、ちょっとした思いつきで、試作してみたのが2011年の秋、案外いい感じに仕上がって、ご注文を頂くこともありました。

サイズは縦35ミリ、横25ミリ、普通の札の1/4ぐらいの大きさです。

この豆カルタ、実際はけっこう手間がかかっています。

A4用紙に50枚分(10枚×5段)配置してあるので、2枚印刷します。最初に1ミリ厚のボール紙に全面糊付けして、反対側(札の画像がない方)に両面接着のシートを貼っておきます。糊が完全に乾いたら、一枚ずつに切り分けて100枚にします。ここでずれないように切るのがちょっと大変、一度に切ろうとすると力が入ってしまうので、何度かに分けて切るつもりでゆっくりと。

切り終えたら、札よりも少し大きく切った和紙(写真にあるのは洋紙ですが、わしのほうがやわらかくて扱いやすいです)を貼っていきます。裁断する前に両面粘着シートを貼ったのは、この時にいちいち糊で貼らなくても済むからです。

次に札の周りを3ミリだけ残して裁断します。この時に同じ幅で切ることができるかどうかで、完成した時の見た目が全然違ってしまいます。3ミリ角のアクリル棒と定規を接着して作った治具で四辺×100枚分、つまり400回小刀で切るわけです。

切り終えたら、二辺ずつ折り返して糊で貼っていきます。糊の加減がちょっと難しくて、濃すぎても薄めすぎても思うようにいきません。100枚分作業するのに4、5時間ぐらいかかってしまいます。

手製本とは直接関係ないと書きましたが、作業自体は手製本と同じことが多いのです。正確に切り分けること、札のふちを同じ幅で切り落とすこと、そして札を包む作業・・・・・・表紙を作る作業と同じことなんです。ただ大きさや幅が違うだけのことで。

そんなわけなので、マーケットでは商品としてではなく、手仕事の案内として展示しています。

実際に使えるかどうかはわかりませんが、テーブルの上で散らし取りぐらいはできるかもしれません。また競技のときに札をどう並べるか研究するのにも役立つかもしれません。

製作のご依頼があれば承りますし、希望があれば、一枚単位で作ることも可能です。お好きな歌と和紙の色を指定していただくことができます。

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