工房通信(12月)

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先日の雑司ヶ谷鬼子母神の手創り市。

12月にしてはそれほど寒くもなく、また大きな木の下でしたが午前中は陽がさして、愉しい一日を過ごすことができました。

小さな本工房のお客さんは老若男女さまざま。小学校にあがる前の小さなお子さんから年配の方まで。マーケットに来ているすべてのお客さんが足を止めるわけではなく、知らずに通り過ぎてしまう人もたくさんいるのですが、そんな中で立ち止まって、おしゃべりをしたり、作品をご覧頂いたり、そんななかで新しいアイデアに繋がるヒントを頂くこともあります。

小さなお子さんが「はん・ぶんこ」サイズの洋古書ミニチュア本を手にとって見ている姿が何ともほほえましくて・・・大人の手には小さい本という感じしかないのですが、ちいさな子どもが持つと不思議とぴったりなんですね、なんだか新鮮な驚きでした。そういえば、以前ご依頼を頂いて作ったもっと小さな本はドールと一緒に飾りたくてとのことでした。なんとなく分かるような気がします。

小学生ぐらいの子どもが百人一首の本や暗記帳に興味を持ってくれるのも嬉しいことです。『百人一首暗記帳』はもともとは自分の暗記のために作ったものですが、小学生が欲しいと言ってくれるのであまり高い値段をつけるわけにもいかず、手間暇の割には安くしています。

あれこれ本を眺めて、いちど他の店に行ったかと思ったら戻ってきて、これが欲しいって言ってもらえると、単純に嬉しくなってしまう。大事なお小遣いで買うわけだからと、内緒で安くしてあげたり。

小さいときから書物に親しんで、本好きになってくれたら嬉しいし、それでもって小さな本工房のファンになってくれたらありがたいし。

さて、この日、手創り市の直前に試作した経本折りの『百人一首暗記帳』をお披露目。最初に作ったのは一面の幅が5センチなので、百首分並べると5メートルにもなります。そのあと作ったのは3.5センチですから、それでも3.5メートル。

お客さんに一方を持って頂き、目の前で伸ばしてみせたり、使い勝手の良さをアピールしたり。

さて、この蛇腹折りですが、等間隔で山折り谷折りにするにはちょっとしたコツがあります。

幅35ミリの場合、A4用紙横置きにして本文を印刷します。

35×8で280ミリ、A4用紙のサイズは297ミリですから、左右に余白ができます。そのうちの一方は糊付けするために残し、もう一方は裁ち落とします。

最初に糊代の部分を折って、本文8面だけの状態にし、まず真ん中で半分に折ります。次に真ん中の線を基準にして左右を更に半分におると、正確に4等分されます。この状態で一辺が70ミリの正方形になります。この後で70ミリをそれぞれ半分に谷折りすれば蛇腹になるわけです。

これを最初に全部つないで、それから35ミリ幅で折っていくのはかなり手間がかかるでしょうし、おそらく微妙にずれが生じるのではないかと思います(わたしはこの方法ではやったことがないので、勝手な想像です)。

1/2、1/4、1/8と半分、また半分、更に半分と折っていけば案外簡単に、しかも正確に折ることができます。折るためにちょっとした作業台とへらがあれば作業は効率良く、美しく仕上がります。

こうして小さなユニットを作って、最後に糊でつなぎ合わせます。糊付けにもコツがありますが、しわになりにくいスティック糊で大丈夫でしょう。糊がはみ出ないように(はみ出ても本文に糊が残らないように)するためのコツもあるのですが、文字で書くのは大変なので、機会があれば写真かなにかで。

これまで糸かがりの冊子式の本ばかり作っていましたが、経本折りでも「実用的豆本」の可能性が見えてきました。

「はん・ぶんこ」サイズの折り本、手に馴染む大きさで、必要に応じて拡げて見渡すことができるのは大きなメリットです。文法便覧や活用表などは相互に見比べることができた方が勝手が良いので、いちどこの形にしてみようかと思います。

手製本だからできること、手製本にしかできないことをあれこれ考えて、形にしていけたらいいなと考えています。こんな本が欲しい、こうしたら使いやすいかも、といったアイデアがあったらお聞かせ頂けると嬉しいです。

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