2012年10月アーカイブ

工房通信(10月)

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すでに終わってしまいましたが、10月7日に豆本フェスタ3が開催されました。

100名近くの出展者(作家の数はもう少し多い)が、それぞれの作品(豆本)を展示、販売するという愉しいイベントでした。

豆本といっても本当にさまざまで、作家の数だけ違いがあると言えそうです。小さな本工房は創作系ではなく、製作系のほうなので、内容に関して別段目を引くようなものはありません。

百人一首豆本です。

昨年末から年始にかけて百貨店催事のときに製本したものと同じ内容です。

雅な感じの和紙をつかって装幀、敢えて背表紙が見える形で製本してあります。

1ページに一首ずつ、巻末には暗記用の決まり字一覧と下の句索引が含まれ、全部で128ページ。

表紙の色に合わせて刺繍糸でかがってあります。糸にぼかしが入っているので綴じ上がったときに色が微妙に変化します。

同じ手間なら美しい方が良いわけで、見た目の美しさも追求してみました。

普段洋装本をつくるときには違う糸を使い、刺繍糸を使うことはほとんどありませんが、できあがりを見る限り、これもアリかなと思います。

利休百首です。

茶の湯の心得などを歌に詠んだものですが、茶道以外にも通じるものがあります。

◇その道に入らんと思ふ心こそ我身ながらの師匠なりけれ

◇上手にはすきと器用と功積むと此の三つそろふ人ぞよく知る

◇規矩作法守りつくして破るとも離るるとても本を忘るな

洋古書豆本化プロジェクトのひとつ。

インターネットで公開されている画像を本の形に戻すというもの。

アナログデータをデジタル化する流れがある中で、敢えて逆の試み。PCのモニターで読むのではなく、紙の本に戻して手に持ってページをめくりながら読むことができます。

はん・ぶんこサイズで仕立てても十分に文字も読むことができる、ちょっと贅沢な一冊です。

さて、今回は出展者として展示販売するだけでなく、ミニワークショップを一コマ担当させて頂きました。

ヴィクトリアン絵本のミニチュアを糸かがりで製本するというもの。

写真の下にあるのは小さな本工房が所蔵するヴィクトリアン絵本のオリジナルです。

上にのっているは実習で製本する豆本です。本文が48頁、1折16頁で3折分、それに表紙が加わり5折になります。

今回の試み、ちょっと冒険かなとも思ったのですが、案内をしてしまっている以上予定を変更するわけにもいかず・・・2時間の本格講座ならまだしも、1時間のミニワークショップでどこまでできるのか、不安が無かったわけではありません。

実際にやってみたら、はやり時間オーバー、テーブルを変えてなんとか最後まで仕上げて頂くことができました。要領を得ない説明で、受講されたお客さんには申し訳ない気持ちになってしまいます。

一時間だから、ミニワークショップだからといって、あっさりとしたものにはしたくなかったというのが本音。難しくても、きちんとした書物としての体裁に仕上げて頂きたいという思いがありました。

簡単と思われるほど簡単ではないかも知れないし、難しすぎるってほど難しいわけでもない、経験と慣れがあれば誰でもできることだということを体験して頂きたかったのです。

失敗とか成功とかでなく、上手い、下手でもなく、一つのものを完成させるプロセスを(全体でなく)一部分だけでもやってみる、それは無駄なことではないと思います。

ミニワークショップで十分に説明しきれなかった部分については、後日サイトに説明を載せたいと思います。また希望の方がいらっしゃればワークショップの教材をお求め頂けるように準備します。
最後になりましたが、今回の豆本フェスタ3でワークショップで席を離れることになるため、くうそうせかいさんにお手伝い頂きました。

都内で開かれるハンドメイドマーケットでの出展者仲間で、作品がすてきだったので豆本にすることをおすすめしました。

短い準備期間にもかかわらず4種類もの豆本作品を準備し、すてきな展示をしてくださいました。

風景の写真に重ねて描かれたペン書きのイラスト、ロウ引きされた紙が半透明になり良い具合に重なりあっています。

重なりと繋がりが表現された小さな絵本、これは書物だからできる世界なのだと思います。

11時から4時までの5時間、たくさんのお客さんがお越しになり、声をかけてくださいました。ハンドメイドマーケット繋がりでお越し頂いた方、過去に小さな本工房の手製本をご購入頂いたお客さんもいらっしゃいました。ほかのイベントで手製本をご購入頂いたお客さまから嬉しいお言葉も頂戴しました。

また、製本作業が追いつかず、受注製本となってしまったこと、お詫び申し上げます。できるだけ早めに準備致しますので、しばらくお待ち頂けますと幸いです。

小さな本工房の今後のマーケット出展は2012年10月28日に開催される「&SCENE 手創り市」(千駄木、養源寺)です。

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