またまた遅くなりましたが、工房通信の5月号です。
マーケットの出店案内もできませんでしたが、代々木八幡、鬼子母神にお越し頂いたお客さま、ありがとうございました。
いつものことではありますが、商売っ気は全くなしで、お客さんや他の出展者さんとおしゃべりばかりして過ごしていました。
本当ならば商品をたくさん準備して、ひとつでも多く買って頂けるようにしたいのですが、このようなハンドメイドマーケットでは「商品」を売ることよりも、「本をつくる」ことの提案ができたら良いなと考えています。本を売ると言っても、どんなものが売れるかなんて予想もできないので、興味を持ってもらえそうな洋古書のミニチュアを何点か並べています。
別に洋古書でなくても良いのでしょうが、著作権のこともあるし、小さくてかわいい本にするなら、挿絵がたくさん入っている本の方が注目されるかという、それだけの理由です。でも、読めないものを「書物」とは呼びたくないので、小さくてもきちんと読むことができるものを基本と考えています。
さて、マーケットでこれまでとはちょっと違ったご依頼を頂戴しました。
ひとつは本の修理、もう一つは実際にある書物をコンパクトなサイズに仕立てるというものです。
修理の方は、30年ぐらい前の本で、無線とじでページがバラバラになってしまってセロハンテープで補修しながら大事に使ってきたのが分かるので、お手伝いすることにしました。いったん全部のページをばらして、和紙でつなぎ合わせ、最後に糸でかがって修理する予定です。
もう一つは、教科書(参考書)のミニチュア化です。私自身も語学の勉強のために教科書をコンパクトなものに仕立てたいという動機から豆本を作り始めたので、気持ちはよく分かります。大きな本を常に持ち歩くのは負担になってしまいますが、コンパクトなサイズであれば、気軽に持って出かけることもできるし、ちょっとした空き時間に開くことができます。
単純に縮小コピーをしただけでは、袋とじにして綴じたときに左右が反対になってしまい使い勝手がよくありませんし、片面だけの印刷なので、両面印刷の倍のボリュームになってしまいます。
両面に印刷し、糸でかがることによってよりコンパクトで使いやすい体裁のものに仕立てることができます。
いま、部屋にある書物の整理に追われています。大小様々の書棚とそれに収まりきれずに積んである書物をどうするか・・・・・・冗談でなく、本当に全部が「はん・ぶんこ」だったらどんなに良いだろうかと思ってしまいます。
デジタル化して紙の本は処分、という手もあるのでしょうが、大部分が今となっては入手困難な「古書」となると簡単に手放すわけにもいきません。いろいろと悩ましいところです。