「語学系」豆本のこと

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百貨店催事が終わり、また「商品」とは無縁の、お金にならないようなものを作り始めています。始めているというよりは、また元の活動に戻った、とでも言うべきでしょうか。

これまでも何度か書いていますが、「小さな本工房」の原点は語学系豆本でした。

今回の15人の出展者で、いや、豆本作家のなかで、あるいは手製本を手がける製本家のなかで、こんな動機から豆本を作るようになったという人はいないのではないかと思います。

一週間の催事期間中、なんだかんだで当番以外の日にも会場に「通って」、他の作家さんの作品を見て廻ったり、お話を伺ったり、「実演席」のすぐ隣で「呼び込み」をしながら実演を間近で眺めたり・・・(機会はほとんどないので、これは貴重な経験でした)していましたが、同じ動機で始めたという話は聞きませんでした。

こういった意味で、他の作家さんと「かぶらない」のは気持ち的には楽ですねぇ・・・だって、同じでないってことは、競争相手がいない、つまり「オンリー・ワン」なわけで、ついでに「ナンバー・ワン」でもあるわけだし。これってお得です(別に比べようとか、競争しようって気持ちはありませんが)。

そんなわけで、展示とか販売とか、まったく別の次元での活動に戻ってきました。

目下取り組んでいるのは、先に作った「フランス語動詞活用便覧」の動詞リストの作成です。もともと作った豆本は「活用表」だけだったので、便利ではあるけれども、不十分でした。なので、すこし手を加えて使い勝手の良いものに改善することにしました。

まずは、FileMakerで動詞のリストと活用タイプ、意味を入力していきます。こういった作業は、Excelでもできますが、私はFileMakerの方がやりやすいのです。韓国漢字音便覧やハーブの学名便覧などもこのソフトを使いました。

必要な情報を入力し、並べ替えの作業をしたあとで、テキスト形式で書き出します。このときに情報の前後に「タグ」をつけるのがポイント。HTMLのタグをつけるのと同じ要領です。この作業は書き出しのためのテキストを作るとき、「計算式」を使って自動的に入れてしまいます。

そうすると、あとからInDesign(レイアウトソフトです)にテキストデータを流し込んだ後で、タグに従って「段落スタイル」や「文字スタイル」を設定するだけで大まかな原稿はできてしまいます。このあたりの作業は「検索・置換」で一気にできますし、正規表現をうまく使えば、さらに時間は短縮されます。

ある程度の作業が済んだら、一度印刷し、仮製本して内容をチェックします。

小さな本工房の手製本は、このチェック作業の時に使い勝手が良いように工夫されています。

まずはその大きさ。手のひらサイズの「はん・ぶんこ」であること。これなら開いた状態でも文庫本サイズなので、電車の中でも十分に作業ができます(これにより時間の有効利用になります)。

つぎに製本の様式、糸かがりなので「どのページも」180度きちんと開きます。書き込み作業をするときに、開きやすいページとそうでないページがあったのでは効率が落ちてしまいますが、この点は一般の書籍と比べものにならないくらい優れています。

そして本文の用紙です。ペンとの相性の良い用紙に印刷しているので、書き込み作業がスムーズです。こういった作業はけっこう手が疲れるので、手に負担がかからないように萬年筆を使います。なので、紙によってはインクが滲んでしまって文字が読めなくなってしまうこともあるのですが、そうならないよう、細字の萬年筆でもストレスなく書き込むことができるように、万年筆専用の用紙に印刷しています。

内容をチェックした後で、修正し、印刷・製本をするのですが、場合によってはチェックの時点で十分に役目を果たしてしまい、後から作る必要もないようなものもあります。

商品として売ったり、どこかで展示するのであれば、きれいに仕上げることも必要なのでしょうが、私にとっては必ずしもきれいである必要はなく、結果として役に立てばそれで十分なのです。

例文集などは、糸でかがらなくても、穴を開けてミニ5穴のシステム手帳に綴じ込んでしまえば、そのままチェックのための資料として使えます。(ミニ5穴の手帳リフィルと「はん・ぶんこ」サイズの縦のサイズはどちらも105ミリでぴったりなのです。)残しておく必要があれば、ファイルの綴じ穴があるので、その穴に従って和綴じ本風にかがってしまうこともできます。

といった具合で、いま動詞のリストをチェックする作業に取りかかっています。やり出したら、もっと情報量を増やしたいとか、市販の単語帳に劣らないようなモノにしたいとか、あれこれ考えてしまうのですが、追求していくといつまで経っても終わらないので、一応限度を決めてやりきることにしました。その後でまたいろいろと新しいモノが生まれてくる予感がします。

教材のCDのスクリプトが豆本だったらいいのに・・・なんてことを考えたりもします。教材についているCDを聞くのに、いちいち大きな本を広げて、しかもしょっちゅうページをめくらなければならないよりは、録音されている例文だけをまとめてあったほうが使い勝手が良いのに、って思います。

そこまで考える人がほかにどれだけいるか分かりませんが、私はそう思ってしまいます。単に面倒がっているだけかも知れませんが・・・

まぁ、こんな感じで、小さな本工房の手製本は「あったらいいな」と思ったものを「使い勝手が良いように」つくることから始まったわけです。

なので、必要以上に小さくするつもりはないし、装飾的な要素は必要なく、実用的であることが第一であると考えているのです。

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