2011年10月アーカイブ

和材洋装

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前の記事からだいぶ時間が経ってしまいました。

今月は月初めに野外市に3ヵ所出店したほか、豆本作家さんとの交流会に参加したり、製本のレッスンを行ったりと、ちょっと慌ただしくしておりました。

また、母校の学園祭、神保町の古本まつりに出かけたりと、あちこち歩き回って、忙しくも充実した一ヶ月でした。

学園祭(同窓会)で百人一首豆本を見せたところ、興味を持っていただき、暗記帳と豆カルタのご依頼までいただきました。

さらに、製本のご依頼を二三頂いており、目下制作中です。雑貨っぽいものをというご希望でしたので、それっぽく作って見ました。なかなか良い感じです。

神保町の古書店で『染型選』という本を買いました。

3冊の大型本で、江戸から大正期の染め型が169種類収録されています。精密な仕事ぶりにうっとり、まさに職人の技です。

最近、和のものが気になっています。和紙や水引、日本画の絵の具、お香、茶の湯、文様、等々。

型染めの本を買ったのも、そんな「和」の伝統と職人芸に近づきたかったから。和紙の見本帳なども欲しいな、なんて思っています。

『茶席の禅語集』という小さな本があって、時々眺めています。精神的に落ち込んでいた時期に、禅語の本に救われたこともあって、なにかホッとするような小さな本を作ってみたいと考えています。

書店で眺めていたら、『利休百首』なる本を発見しました。お茶の心得はありませんが、百人一首の豆本と同じように仕立てたらおもしろいかもしれません。

こんな具合で、いまあれこれ作品作りの構想を練っています。これにはちょっとわけがありまして、年末年始にちょっと大きなイベントに出展参加することが決まり、それに向けて作品の準備に追われているのです。

これまでの豆本のイベントや、ハンドメイドマーケットとはちょっと違った、とても魅力的な催事です。

私は、本の中身をつくる意味での作家ではありませんが、手製本の職人を目指しているので、今回の催事に参加できるのは名誉なことでもあり、気合いが入ります。

そこで、「和材洋装」をコンセプトに作品を準備しようと考えています。

和紙で和装本を作ることも考えたのですが、和装本の経験はあまりないので、洋装本に仕立てる予定です。和紙で和装本を作るのは当たり前すぎて面白味がないし、洋紙で和装本は使い勝手がよろしくない、でも、逆に和紙を革やマーブル紙のように装幀に使ったら・・・そんなことを考えています。

表紙のなかに「文香」を入れて、本自体が薫るように仕立てたことがあります。香りがきつすぎず、ほのかな香りが漂う、表紙はちょっと雅やかな和紙で装幀した洋装本。あるいは茶室のような雰囲気を本の装幀に表現できないか、そんなことをあれこれ考えています。

あと二ヶ月しかないので、どこまでできるか分かりませんが、これまでの手製本よりも一段階高いクオリティのものを創ってみたいと思います。

催事については、また改めてお知らせします。

工房通信(10月)

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1日(土曜日)に築地本願寺のてづくり市、2日(日曜日)に鬼子母神の手創り市に出店しました。小さな本工房にお立ち寄りいただいたみなさま、ありがとうございました。

マーケットなので、その場でお買い求め頂けるような商品をたくさん準備しなければならないのでしょうが、今回もほとんどがサンプルの展示になってしまいました。

もし商品として完成したものだけを並べるのであれば、小さなテーブル一つでも広すぎるくらいです。

だから、というわけではありませんが、工房の作業机にある書棚をそのまま展示し、製作途中の物や、試作品などもご覧頂けるようにしています。

幅30センチ強、高さ40センチ程度の3段の木製の書棚。これは小さな本工房のために特別に作って頂いたものです。本の大きさ(はん・ぶんこ)にあわせて作ってあるので、文庫本専用の棚のようにぴったり収納出来ます。

お客さんの中には、完成した作品よりも、こちらの試作品の方に興味を持たれる方も多くいらっしゃいました。「フランス語動詞活用便覧」は手書きのタイトルが目立ったのか、手にとってご覧になる方が多かったようです。

時々、本作りを習ったことがあるとか、興味があるというお客さんがいらっしゃるので、製本についてお話しさせていただいたり、本作りのお手伝いを提案したり。今回は折り紙を使った見本を用いて、本の仕組みについてちょっとした実演をしてみました。

そんなわけで、マーケットではありますが、商品を売る場というよりも、手製本について語り合う場という認識で出展しています。昨日は、いつもよりも話をしている時間が長かったかも知れません。

出展している他の作家さんとの話も刺激になります。作品の種類は違っていても、作り手としての想いは共通する部分も多いですし、作品を作る上で参考にしたいこともたくさんあります。

「本」がそんなに売れるとは考えていない、と前にも書きました。

実際に、本を売るために出展するのであれば、当然、完成した作品を並べる事になります。

が、敢えて未完成のもの、試作品ばかりを並べているのは、「手製本」を知っていただきたいという想いがあるからです。

私はイラストを描いたり、写真を撮ったり、文章を綴ったりするという意味での作家ではありません。なので、展示販売しているものは100年ぐらい前の絵本だったり、自分のために作った資料を製本したものばかりです。

ただ、本を作ることだって出来るのだということを知っていただきたいし、もし興味があるのであれば、本に仕立てるお手伝いをしたい、そう考えています。

本を作ると言っても、印刷するまでの過程と、印刷した物を綴じる過程との両方があるわけで、小さな本工房はその両方をお手伝いすることが出来ます。

何も印刷されていない紙を綴じるのも製本といえるわけで、そういう意味では、手作りのノートや手帳が出来るかも知れません。

同じ素材であっても、紙の種類や印刷するときのサイズ、そして装幀をどうするかによって仕上がりが違うのが手製本の魅力です。

そんなわけで、いろいろな大きさで綴じた見本をご覧いただいて、それに合わせて表紙をイメージしていただくことにしました。オーダーメイドの本、と考えても良いかもしれません。

今後、見本などを充実させて、オーダーしやすい環境を作っていきたいと考えています。

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