豆本の中身について

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本工房の作業は、本の中身を作る工程と、印刷されたものを本の形に仕立てる工程とに分けることができます。

前者はPCで行い、後者は完全に手作業といった具合で、デジタルとアナログの作業が半々です。

さて、本の中身を作る工程ですが、InDesignというレイアウトソフトを使用しています。

「はん・ぶんこ」の本を作る場合、A4用紙片面に8頁、裏表で16頁になります。その半分(A8判)のときは片面に16頁、両面で32頁分になるわけです。

印刷して本にしたときに頁が順番通りになるように、あらかじめ豆本用のテンプレートをつくってあります。なので、実際の作業はテンプレートにテキストを流し込む、あるいは画像データを配置する作業から始めることになります。

本の中身は画像データのときもあり、単純にテキストデータの場合もあります。

たとえば洋古書のミニチュア化のときはすべて画像データを使います。アーカイブスのサイトからPDFファイルをダウンロードするのですが、この段階では一つのファイルに全頁分の画像があるので、先に1頁ごとに分割する作業をしなければなりません。これはAcrobatに「ページの分割」という機能があるので、一瞬で完了します。

このあとはひたすら配置して、印刷したときにきちんと収まるように調整します。

挿絵がある本はこの方法で作ります。

一方、テキストのみの本を作ることもあります。

小さな本工房の原点は「語学系豆本」でしたから、繰り返し読んで覚えるためのテキストや、コンパクトにまとまった便覧や索引を作ることが目的でした。

このテキストは自分で全部入力しました。例文集や単語帳は比較的単純ですが、フランス語動詞活用便覧のように複雑なものもあります。また対訳小倉百人一首豆本のように共通のレイアウトで何冊もの本を作ることもあります。

百人一首暗記帳はテキストデータと取り札の画像データを組み合わせて作ったもので、ちょっと複雑です。

これとは別に、文芸作品を「はん・ぶんこ」の本に仕立てることもあります。グーテンベルクのサイトなどからテキストデータをダウンロードし、テンプレートに流し込み、段落スタイルと文字スタイルを調整することで読みやすい体裁にします。

テキストデータの場合は、読みやすい書体、サイズをこちらで決めることができるのが利点です。

先日、Jefferiesというイギリスのナチュラリストの本を画像データで「はん・ぶんこ」サイズの本に仕立てました。元の本の1頁分をそのまま小さくしてあるため、文字が小さくて読みにくくなってしまいました。A7判の本に32行分のテキストが収まっているため、決して読めないわけではないのですが窮屈です。

同じものを、テキストデータをもとに「はん・ぶんこ」サイズの本に仕立てました。こちらは文字のサイズもほどよく、楽に読むことができます。またちょっとしたこだわりですが、文字色を黒100%ではなく、80%程度に抑えてあります。書籍用紙に印刷したとき柔らかい雰囲気に仕上がります。

画像データから作った本と、テキストデータから作った本とでは、書いてある中身は同じでも、読みやすさはだいぶ違います。画像のほうは元のレイアウトが忠実に再現されていて、文字通りミニチュアのような雰囲気なのに対して、テキストの方は飾り気はないけれども実用的です。

どちらが良いか悪いかということではなく、実際に手にとって読むための本として考えるならば、多少手間がかかったとしても、テキスト主体の本を作るのも無駄ではないと思うのです。

こちらはテキストデータとして組んだものです。フォントはAdobe Caslon Pro です。クラシックな雰囲気を出すために、「合字」を使っています。

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