工房通信(7月)

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まずはお知らせから。
今月17日の鬼子母神「手創り市」に出店します。(野外市のため天気によっては中止です。当日サイトで確認して下さい。)

↓手創り市のサイト
http://www.tezukuriichi.com/home.html

今年前半のテーマ、対訳小倉百人一首豆本「百歌繚乱」、先月の「てづくり豆本展」の後も若干増えて、目下13点になりました。

手元にある翻訳書が英語(4冊+コピー2点)、ドイツ語(3冊)、フランス語(1冊)、ロシア語(1冊)、中国語(1冊)、それから漢詩訳(1冊)といった具合です。

手元に書物があるのに、わざわざ豆本にする必要があるのか疑問ですが、ドイツ語、フランス語、ロシア語の本には日本語がなくて、ちょっと不便なので対訳版にしました。

自分で本に仕立てるので、どれも同じ大きさ(はん・ぶんこ)の本にすることができるという理由もあります。

この対訳小倉百人一首豆本は、どれも同じサイズで、なおかつページの構成も、フォントのサイズや色なども共通の書式になっています。

このように本の中身に対してあれこれ「わがまま」を通せるのも手製本の魅力かもしれません。

本をつくる作業について、印刷の前と後に分けることができます。

何も印刷されていない紙を本の形にするのも製本であることには変わりないのでしょうが、小さな本工房の原点は語学系豆本でしたから、本の中身をどのように作っていくのかを先に解決する必要がありました。(最初は16ページ程度のものだったので、綴じる作業についてはあまり考える必要もなかったのです。)

小さな本工房では印刷するためのデータをInDesignというレイアウトソフトで作っています。

もし罫線だけのノートのようなものを作るのであればIllustratorで作業することも可能ですが、テキストが主体で、数ページ分の連続したテキストを扱うには、InDesignの方がはるかに効率的です。

ただ、出版物のレイアウトソフトとはいえ、「豆本のための」ものではないので、まずは「豆本用テンプレート」を作る作業から始めなければなりませんでした。

いつもの「はん・ぶんこ」サイズの本はA4用紙(横目)に片面8ページ、両面で16ページの構成になっています。

当然のことながら印刷して切って折って綴じたときにページが順番通りにならなければ意味がないので、ただ並べればいいというわけでもありません。

両面印刷して裏表がぴったり揃うまで何度も微調整を繰り返し、ようやく満足できるところまでたどり着きました。

ひとつの枠組み(テキストフレームといいます)ができたので、あとはページが増えても対応できるようにしました。256ページまではテキストデータを一気に流し込むことができるので、青空文庫やグーテンベルクのデータを豆本に仕立てることが容易になりました。

テキストデータを編集する際に、いちいち手作業でやるのは非効率的なので、「正規表現」を少しずつ試しながら覚えました。ただ、ラクをしようとして中途半端に一括置換をすると、却って手間が増えることを学びました。このあたりは慎重に行う必要がありそうです。

ここまでできれば、あとは段落スタイルと文字スタイルを調整しながらの作業だけです。

こんな具合で本作りの「印刷前」の段階は進んでいきます。

ここまでは全部PCをつかっての、デジタル作業なのです。一方、印刷した後は切って折ってかがって、と全部が手作業なんです。

手製本とはいえ、完全に手作業なのは印刷した後のはなし。

それ以前はデジタルに頼らなければなにもできません。

デジタルとアナログの絶妙な使い分けとでも言いましょうか、この辺りがおもしろいのかもしれません。

本そのものがデジタル化される流れの中、書物というかたちにこだわり、本を作る、時代に逆行しようとしているかにもみえますが、紙の書物がそんなに簡単に無くなることはないと思いますし、無くなってはいけないのだと考えています。

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