2011年2月アーカイブ

本工房の主人たち

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きのうは毎週恒例の古書店巡り。古書会館で週末に開催される古書展と神保町界隈をあちこち彷徨う。

古書展で見つけた本。

季刊「銀花」のなかから2冊、
第98号(1994年)、特集は「本工房の主人たち」
第102号(1995年)、特集は「串田孫一の世界」

この雑誌はこれまであまり気にかけていなかったのだが、とても上質な読み物が満載。俗っぽくないのがいいところ。どの号も気になって、大人買いしてしまいそうなところだが、懐具合を考えて、どうしても逃すことができない上の2冊だけを購入した。

まずは「本工房の主人たち」
読書が好き、本が大好きな方々に、この度はとびきりの企画という見出しから始まって手製本を手がける作家さんと作品の紹介が続く。

プライベートプレス、とてもいい響きだ。商業出版とは別の、細々と、でもこだわりがぎゅっと詰まった少数部数の本。「小さな本工房」もそうした本を創る工房にしたいと思う。

それにしても、手製本が美しい。まさに「限定本」、「特装本」と呼ぶにふさわしい。実用的というよりも、芸術品のようなたたずまい。

もう一冊は串田孫一さんの世界を紹介した特集。
この特集の時点で、世に出た串田さんの本は376冊あるとのこと。手元にあるのはほんの数冊だけだが、署名本も何冊かあって満足。1ページ程度の短い文章もいいし、2、3ページぐらいのエッセイも好き。
まさに「豆本にしたい作品」がたくさん。
むかし「雑木林のモーツァルト」というエッセイを16ページの小さな本に仕立てた。手のひらに収まるサイズで、文字は普通の文庫本よりも大きめに、少しゆったりと組んである。
他の文章も小さな本に仕立てて、持ち歩きたい。

今日は、先週の手創り市で注文を受けた本の装幀を行った。依頼主から表紙用の布を受けとり、早速裏打ちして表紙をつくる。中身は前に創ってあったので、表紙をつけるだけだが、最後の最後まで気が抜けない。

素朴な感じのリネンクロスが中身と良い具合に調和している。一晩プレスして完成を待つだけ。

創ったものをマーケットで売るのではなく、装幀の希望をお聞きして、それに添って本を仕立てる、まさに「私だけの本」、「世界に一冊だけの本」ができあがる。

完成した作品を商品として並べるのではなく、サンプルとして見て頂いて、希望に添った装幀を施す、今後はこの方式でマーケットに出店できたらと思う。

手創り市にて

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昨日「手創り市」に出店してきました。
12月に初出店、1月にも出店したので、今回は3回目でした。

冬の野外市で、天気は朝からずっと曇り。扱っているものが紙 製品なので、雨に濡れたら大変なことになってしまいます。先月に比べたら寒さはそれ程でもなく、マーケット用にと先月購入した「留米絣綿入れはんてん」がコート代わりに。普通のはんてん(室内でも羽織っている。なんとも昭和)よりも丈が長く、本当にコートと同じくらいあります。見た目「職人」っぽくて、1月も2月もはんてんを着て出店していました。

今回は本堂前のメインストリート(?)だったので、賑わいを実感しました。場所が良いためか立ち止まって見てくれるお客さんが増えたような気がします。一人が手に取って眺めていると、周りに人だかりができるのが不思議。おしゃべりに夢中になってしまうこともしばしば。

ここで他の作家さんやお客さんと話をするのが一番の楽しみ。

商品が売れるかどうかなんて、本当はどうでも良いのです。むしろ欲しいと言ってくださる方がいるだけでありがたくて......

売れないだろうと思っていた「百人一首」の暗記帳や対訳本(英語、フランス語、ロシア語)が人気だったのはビックリ。
暗記帳は、趣旨を理解してもらえて、作った甲斐がありました。もともと自分のために作ったもので、売ることは考えていなかったのに、喜んでもらえるとは、製作者冥利に尽きます。

会場のほぼ中央だったので、時々周りを見渡してディスプレイの仕方を観察したり作品のジャンルをリサーチしたり。

あちこちからお客さんの「かわいぃ?!」という声が聞こえてきます。(私の所でもときどきそう言ってくれるお客さんがいました)そう、「かわいい」ものはやっぱり人気がありそうです。(私もそういう本も準備しました。雑貨系も悪くないかもしれません)

今回は棚を二つ使ってディスプレイしました。一つは昨年の春に昔からの友人がプレゼントしてくれたもの。そして、もう一つはなんとマーケットの前日に受け取ったもの。ネットで知り合った方が描いてくれました。

展示する本が19世紀の絵本なので、古い感じの棚が欲しいと思っていたところ、思わぬ展開でとんとん拍子に進み、土曜日に受け取った次第。背表紙を革のイメージで装幀した(本当は紙)ので、棚の色とピッタリでした。描かれている絵も19世紀っぽくていい感じ。言葉を入れてくれるというので、リクエストして「私だけの本」という意味のフランス語を書いてもらいました。

豆本は手創り市の中ではあまり(ほとんど)出展者がいないので、こういう世界があるんだ、と驚かれるお客さんも結構いらっしゃいました。豆本も普通の本も「製本」できることをアピールすることができたと思います。これは豆本だけのイベントでは味わえない楽しみかも知れません。

他の作家さんとの話でいろいろと刺激を受けます。あらたな発想を得たり、いつかはコラボをなんてことを言ってみたり、手仕事で繋がる世界って良いなって思います。

今回本を買って下さったお客さんが日記で紹介して下さいました。ありがたいことです。

今後も出店できるよう(選考に通るよう)努力していきます。次は3月20日、出店が決まったらお知らせします。

写真はディスプレイが完了した時に撮った一枚。本当はもっと撮りたかったのに、カメラが使い物にならなくなって......

漢字便覧改訂作業

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昨年、なんとか一段落した『韓国漢字音便覧』

もともと自分が欲しいと思ったものを豆本に仕立てたので、普段から鞄の中に入れて持ち歩いている。

この大きさがとても使い勝手が良い。文字の大きさなどは改良の余地がありそうだが、どこをどのように直していくかを考えるのも楽しみのひとつ。

この便覧は韓国語の漢字表をもとに編集したものなので、韓国語読みが基準になっている。この逆の便覧、つまり日本語から韓国語読みを調べるための本を作成中。

先週末から作業に取りかかっている。昨年、常用漢字表に新しく追加された漢字があるので、新しい「常用漢字表」を豆本に仕立てる。最初から入力するのは手間なので、ネットでリストを探してきて、必要最低限の情報だけに編集し、豆本のテンプレートに流し込む。

仮製本して(作業用のスペースを確保するため、2136字でも160ページある)韓国語音を書き込む。集中して取り組んだので二日ぐらいで何とか一段落、それからついでに中国語音も書き込んでいく。日中対照表があるので、これも機械的に、集中して二日で完了。

ここまでは手作業なのだが、これから入力、そしてチェック......
常用漢字表にある漢字でも、全然出会ったことがないような字もある反面、漢字熟語としては見かけるのに常用漢字表に入っていない字もあって便覧そのものは文字数を大幅に増やすことになる予定。

読める字と書ける字とのギャップに驚いている。書き取りの試験があったら、恥ずかしい結果になりそう。

百歌繚乱

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先週は「百人一首豆本」の試作品がたくさんできた。12月に書店で見つけたフランス語訳やロシア語訳のテキストがあるので和仏、和露対訳に仕立ててみることにした。

フランス語は本を見ながら手入力で。行き帰りの電車の中でも作業をしたため、ミスタイプがいくつか見つかった。

ロシア語の入力は面倒なので、ネットでテキストを探した。そしたら、手元にある本とは違うロシア語訳がいくつか出てきてびっくり。とりあえずテキストだけをまとめて製本してみる。日本語と対照できるようにする作業はこれから。ネットで見つけたのは3種類、それに手元の本を加えると4種類になる。

ついでなので、英訳も探す。高校の時に筆写したものを田舎から送ってもらったのだが、それが誰の翻訳なのか、どこから出た本なのかが分からない。

英語そのものを評価することはできないのだが、英訳を読んで好きになった歌もいくつかある。この英訳は4行になっていて、きちんと韻を踏んでいるので、最初から英詩として読んでも違和感がないのではないか。

ウェブで同じテキストを探しているのだが、どうしても見つからない。だが、他の英訳テキストがいくつか見つかったので、それも編集してみる。

英訳本なら図書館や書店で探せば他にもいくつか見つかる可能性はある。

先日丸善の洋書売り場で見つけた中国語訳小倉百人一首の本、逃すと後から探すのは大変なので、結局購入した。これは最初から日中対訳になっていて、しかも原文テキストのほかに、(日本語による)現代語訳、そして日本語で「語彙と文法」の説明までついている。なので、半分は古文のテキストみたいな感じ。中国語訳は五言絶句になっている。

だいぶ昔だが、『漢訳小倉百首』という本を見つけて購入した。これはかなり「レア」な本だと思う。だって本の奥付には「非売品」と書いてあるのだから。

そんなこんなで、いったいいくつの百人一首が見つかったのか分からない。いまは一訳ごとに対訳本を作るつもりでいるのだが、ひょっとしたら、「一首多訳対照版」なんてのもできるかもしれない。
シュトルムの「翻訳詩・集」のように、一つの原文に対していくつもの翻訳が並んでいる本、これもおもしろいかもしれない。

工房通信(2月)

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今月20日の鬼子母神「手創り市」に出店します。(野外市のため天気によっては中止です。当日サイトで確認して下さい。)
↓手創り市のサイト
http://www.tezukuriichi.com/home.html

昨年12月、先月1月と2回出店しているので、今回のマーケットが開催されれば3回目の出店となります。冬の野外市ですので、寒くて大変なことも多いのですが、それに勝る楽しみがあります。

幸か不幸か、先月のマーケットのために徹夜で準備した本が何冊か残っているので今回はそれ程焦らずに、ちょっと余裕を持って満足のいくものを仕上げるつもりです。

また、売れるかどうかは別として、先月作った完全オリジナル雑文集も何冊か準備する予定です。商品としての価値はほとんどありませんが、活動に対する「想い」や「こだわり」は盛り込まれているので、興味があるお客さんがひとりでも二人でもいたら良いなと思っています。

今後の方向性として、豆本作家というよりも、豆本職人を目指すつもりです。なので、創作系よりも製作系に重点を置いて、その代わり造本においては満足できるところまで目指したいと思っています。

そして、「豆本プラスα」といいますか、本とは直接関係ないところでちょっとしたおまけというか、工夫を盛り込んでいきたいと考えています。いろいろとアイデアはあるのですが、できたものから順次紹介していきます。

無事に出店できるかどうかは、天気次第です。1月の時は、とても寒くて大変でしたが、今回は日当たりも良さそうだし、(会場のほぼ中心あたりです)、本堂に向かう道に面した場所ですので人通りが多いことは確実......のはずなので、ディスプレイにもちょっとこだわってみようかと考えています。

あれこれ工夫してみるつもりですので、当日晴れたら、遊びにお越し下さい。

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