2008年10月アーカイブ

文房具と事務用品

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「文房具」という言葉に惹かれる。
仕事や勉強で日常的に使う物とは別の、なにか特別なモノと言った趣がある。
小学校から大学まで使っていたノートや鉛筆などとはちょっと別の、また、職場で使う事務用品とも違ったものたち。

でも、たとえ仕事であっても、あるいは自分の勉強であっても、ちょっとこだわりの文房具を使ってみたいという衝動に駆られる。最近、ボールペンよりも万年筆を日常的に使うようになった。

ちょっとしたメモ程度でも、また勉強用のノートも万年筆で書くことが多い。以前は鉛筆を使っていたが、こちらもちょっとだけ贅沢なモノを使う。別に何が変わるというのでもないのだが、気持ちが引き締まる。

職人が道具にこだわるのと同じように、勉強するにもこだわりがあっても良いのかも知れない。

古い洋書を読むときに、カッターナイフでページを切るのではなく、ペーパーナイフで切りながら読みたい、そんな気持ちになる。

単なる気持ちの問題かも知れないが、古い書物にはペーパーナイフが似合うような気がするし、鉛筆を削るときは肥後守のほうが気合いが入るように思う。

ちょっとした違いだが、その差は小さくはないと思う。

自本自賛

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豆本フェスタで注文を受けたものを製作中。
128ページの角背の本。中身はプロイスラーの『小さい魔女』のドイツ語版。縦110ミリ、横80ミリの掌になじむ丁度よい大きさ。
ドイツ語の原書を全ページスキャンしたものを、左ページと右ページに分けて保存。その後豆本用のテンプレート(InDesignというソフトを使用)に配置していく。
A4用紙一枚(両面)に16ページ分を配置するので、全部で8枚になる。 これを切って、折って糸でかがるのだが、ここではわざと一部裁断せずに製本してみた。こうすると読む人がページをペーパーナイフで切りながら読むという、もう一つの楽しみを味わうことが出来るから。
他にも手作り感を出すための演出をいくつか試みた。それがどこかは秘密ということにしておく。
これから最後の仕上げをして、来週初めには発送する予定。 イベント前に作った豆本は締め切りに追われていたため、なんとなく余裕がなかったが、今回はちょっとゆっくりと作業を進めた。その分愛着がわいてきて、ちょっと手放すのが惜しいくらい。
「自画自賛」という言葉があるが、製本家にしてみれば「自本自賛」とでもいうのだろうか。

几帳面か神経質か凝り性か

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ずっと前に職場であった話。
資源の有効活用の意味で、ミスコピーの裏面をメモ用紙として使う所は多いはず。
だいたい使いやすい大きさに切ってクリップなどで綴じて使うのだが、ある人が非常にきっちりと裁断して、しかもきっちりとそろえて綴じていた。
それを見て、別の人が曰く 「神経質ですねぇ!」 思わず吹き出してしまった。「そういうときは『几帳面』って言うもんだよ」とアドバイスをした。「神経質ですねぇ!」とコメントした人はB型なのだが、その意見に座布団一枚と言いたい位の傑作だった。

なぜこんなことを書いたかというと、先日の豆本フェスタで作品をじっくりと見てくれたお客さんに、「ひょっとしてA型ですか?」って聞かれたのがおかしかったから。
別に血液型がどうとか興味があるわけでもないが、世間で言われている血液型判断がどの程度当てになるのか、あるいは当てにならないのかを確認してみたいという気持ちはある。
たぶんそのお客さんは作品の作りが丁寧だと言いたくて几帳面なA型を予想したのだろう。
こういうところで裏切るのが好きだ。「へぇ、やっぱり分かりますか?」とでも言ってみたいのだが、「ただただ丁寧に作っているだけではなく、自分の世界を楽しんでいる、しかもそこに価値を見いだしている凝り性タイプなんですよ」と答えた。
だいたい、こういうのって◇型に多いみたいですねぇ......

ちなみに、メモ用紙をきっちり揃えていたのは私ではありません。念のため。

自分なりの豆本

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昨日と今日の二日間、豆本のイベント「豆本フェスタ」に出店した。
慌てて準備した17冊の「花言葉」ミニチュア本も完売。それほど売れないだろうと思っていたのだが、予想以上に売れてしまい、二日目の今日はどうしようかと慌ててしまったほど。
一晩では完成品が間に合わないので、急遽製本前の状態のものを10セット準備し、会場内で製作工程の説明や実演を行うことにした。
昨日もそうだったが、本の内容よりも製本の仕方に関する質問や相談を多く受けたので、今日はその説明が出来るように製作途中の本や製作時に使っている道具を持って行った。

最近、「○○ハック」系の本が多く出ているが、「豆本ハック」とでも言うか、ちょっとした工夫で作業の効率や質が向上するのだということを紹介できればと思っている。
たとえば紙を早く正確に美しく折るための方法。折るための台とへらがあるだけで数倍も違ってくる。
それからきれいに裁断するための道具。小さい物だと、1ミリでもずれると不細工な物になってしまうが、同じサイズに裁断するためにアクリル板で定規を作る。A4用紙を縦横それぞれ半分に切るための定規があるだけで作業効率があがる。
そのほか「かがり」のための穴の位置は印刷してしまう、同じ形式のフォーマットはテンプレート化して再利用する、かがり専用の作業台をつくる、等々。
こんなことをまとめて小さな本に仕立てたら便利かも知れない、なんてことを考えてしまった。結局行き着くところは自分の豆本なのかも。
イベントでは多くの出店者がいてそれぞれ個性的な作品を展示していたが、「小ささ」を目指すのではなく、自分なりの本を作ればいいということを感じた。そもそも私の豆本は自分の勉強用ノートや教材だった。お客さんから製本について相談を受けたり、好意的な評価をいただいたりしていろいろと励みになった。

以前、豆本作りについて浮世絵と同じだというようなことを書いた。絵を描く絵師、それを彫る彫り師、そして印刷する刷り師。
創作系と製作系があるとしたら、自分は製作系の方なのだと思う。

出店する側となってお金を頂く立場になると、作品もそれなりのものでなければならない。自分の作品に値段をつけるのも容易なことではないが、出品する以上はそれなりの出来であるようにしたいし、それに見合った代金を頂けるような仕事をしなければならない。

小さなイベントであっても、プロ意識があるのとないのとでは全然違う。
やる以上は「職人」を目指したいと考えた二日間だった。

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